知ってると得する!? 4つのバイアスとプロスペクト理論!


 

「選択」で読み解く4つのバイアス

 

行動ファイナンスでは認知の仕方による思考の偏りを「バイアス」と呼んでいます。

 

人が「選択」をする際、何らかのバイアスがかかり合理的な判断を誤ることがあります。

 

代表的なものが次の4つのバイアスです。

 

キーワードは「選択」です。

 

偏った意思決定をしないようにするためにも、人の持つバイアスの特徴を理解し、「選択」することが重要となります。

 

損失回避性

 

2002年にノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーマネンやエイモス・トベルスキーが提唱したのが、人は利得を好むより損失を嫌う程度が強いという「損失回避性」です。

 

次のようなコイン投げのギャンブルがあったとしましょう。

 

あなたは参加しますか?

 

コインの裏が出たら10,000円を支払う
コインの表が出たら12,000円を受け取ることができる

 

冷静に考えてみれば、このギャンブルは参加者に有利ですが、多くの場合、参加しないことがわかっています。

 

12,000円を得る期待感より、10,000円を損してしまう恐怖感のほうが大きく感じるからです。

 

この特徴を「損失回避性」と言います。

 

では、受取金額がいくらであれば参加するのでしょうか。

 

多くの実験から、損失(支払い)の1.5〜2.5倍の金額であれば参加することがわかっています。

 

この倍率を損失回避倍率と言います。

 

次の質問です。
あなたが勤める会社からボーナスが出ることになりました。次の選択肢A.Bのうちどちらを選びますか?

 

A:ボーナス80万円を受け取る。

B:ボーナス100万円を受け取る。ただし15%の確率でもらえない(0円)

 

Bは85%の確率で100万円を受け取ることができますがもらえない場合もあります。

 

期待値を計算すればAが80万円、Bが85万円ですが、私たちの心境は損失回避になり、リスク回避的な行動をとるためにAを選びがちになります。

 

次の場合はいかがでしょうか。

あなたは会社に迷惑をかけてしまったため一部の金額を弁償することになりました。

 

A:80万円を弁償する。

B:100万円を弁償する。ただし、15%の確率で弁償しなくてもすむ(0円)

 

この場合は選択肢Bを選びがちです。

 

悪い選択肢しかない場合、リスク追求的になり一か八かの勝負に出て、弁償しなくてすむ15%に賭けようとします。

 

損失回避性の重要なポイントは、私たちが回避したいと考えているのは、リスクではなく損失という点です。

 

損失を目の前にすると、それを回避するため大きなリターンを求め、リスク追求的になるのです。

 

 

極端性の回避

 

仮に欲しいものが2つあって、どちらか一方しか購入できない場合、私たちは迷ってしまいます。

 

どちらかに決める決定的な要素がないと、散々迷った挙句、どちらも購入しないという選択をしてしまうことさえあります。

 

何かを選択するには、機会費用についても考慮するため、自分自身で納得できる「理由」を求めてしまうからです。

 

後になって明らかに失敗と思われる選択をしたとしても、選んだ「理由」があると、後悔の程度が軽く思える場合もあるからです。

 

例えば、あるフレンチレストランのメニューは、Aコースが10,000円、Bコースが12,000円です。

 

この場合、Aコースを選びがちです。

 

金額的にはキリもよく、理由付けが安易に行えます。

 

しかし、お店からすればBコースを選んで欲しいものです。

 

このようなときは15,000円のCコースを新たに作るのです。

 

選択肢が3つになると、お客様のオーダーは真ん中のBコースに集まってきます。

 

正しくは、後悔したくないため、極端(ここでは両端)な選択を避けるようになるのです。

 

これを「極端性の回避」と言います。

 

Aコースは値段が安いため、食材の質が低いかも知れませんし、Cコースは量が多く食べきれないかも知れません。

 

価格面でも高くなります。

 

そこで、無難な選択肢であるBコースを選好してしまうのです。

 

選択肢が3つだからこそ意味を持つとも言えます。

 

相手の選択のプロセスをできるだけ簡略化する方法が極端性の回避なのです。

 

 

フレーミング効果

 

冷蔵庫の電気代は1年間にどのくらいかかるのでしょうか。

 

単身者向けの冷蔵庫を例にとると、その電気代は「年間で約7,300円」かかるようです。

 

安いでしょうか。それとも高く感じるでしょうか。

 

テレビショッピングなどではおそらくこのように訴えかけるてしょう。

 

電気代、1日当たりなんと20円!」と。

 

7,300円を365日で割れば20円ですから、両者は同じことを伝えています。

 

しかし、私たちは後者のほうが安く感じてしまうのです。

 

このように、表現の仕方次第で認識が変わる現象を「フレーミング効果」と言います。

 

両者の違いは、その枠組み(フレーム)が「年単位」なのか、「1日単位」なのかという点です。

 

1日単位で表現されたほうが、私たちにとってイメージしやすく、アクセスが容易になります。

 

一方、年間で表現されると、比較対象となる事例が1日単位と比べてイメージしにくいのではないでしょうか。

 

このようにアクセスの容易さを「アクセシビリティ」と呼んでいます。

 

次は、旧式の冷蔵庫と比べて、新しい冷蔵庫の電気代が1日当たり10円安くなった事例を考えてみましょう。

 

その場合は「年間で3,650円も安くなります!」と伝えたほうがよりその違いを表現を表現できます。

 

「年単位」のほうがアクセシビリティは悪く、イメージしにくいため総額のインパクトのほうが大きく感じてしまうのが理由です。

 

 

プロスペクト理論とは?

 

プロスペクトとは、「見通し、見込み、予想」といった意味です。

 

プロスペクト理論とは、私たちがリスクを伴ったとき、どのような意思決定を行うかを指し示す理論です。

 

プロスペクト理論は次の3つの認知的な特徴があり、私たちの金銭的な結果を評価するときに重要な役割を果たします。

 

 

感応度逓減性

 

1万円を投資して2万円に増えるのと、100万円が101万円に増えるのとでは、同じ1万円が増えたことには変わりませんが、そのありがたみは前者の方が大きく感じます。

 

損失についても同様で、2万円が1万円に減ってしまうのと、101万円が100万円に減ってしまうのとでは、前者のほうがその痛みは大きくなります。

 

利得の場合も損失の場合も変化した額は1万円ですが、投資額が大きくなるにつれ、その受け止め方は鈍感になります。

 

これを「感応度逓減性」と言います。

 

以上が人の心理を経済学と交えた行動経済学になります。

 

焦ってこと急ぐことなく、冷静に状況を見極める心を持てばより合理的な選択ができると思います。

 

ぜひ、日時生活で参考にしてください。


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