行動ファイナンスを理解すれば投資で儲かる!? 投資信託編 その2


前回の記事の続きです。

 

テーマではなく「5つのP」に注目を

 

テーマ型投資信託とは1つのテーマに関連した企業のみに投資するもので、最近ではフィンテックやAI、ロボット、オリンピックといったテーマが話題になっています。

 

これらはいわば“はやりもの”です。

 

昔からこうした投資信託はありましたが、その多くが非常に短命に終わっています。

 

例えば1985〜1986年頃に「マルチメディアファンド」というものが登場し、電機や当時のIT関連の株式を対象に運用するものがいくつも出てきました。

 

マルチメディアなどという言葉はすでに死語です。

 

実際にこうしたテーマ型ファンドは今でも設定されていますが、長期にわたって大きく育ったものはほとんどありません。

 

そもそも投資信託はパフォーマンスが最も大事であることは言うまでもありません。

 

しかし、投資する対象を自ら狭めてしまうのは、パフォーマンスを上げるために合理的な投資方法であるとは言えません。

 

にもかかわらず、こうしたテーマ型投信の設定は後を絶ちません。

 

それは「利用可能性ヒューリスティック」と言われる心理が働くからです。

 

これは、投資信託で言えば、わかりやすい身近なテーマに関して投資するものは値段も上がるのではないか、と思ってしまう勘違いです。

 

フィンテックやロボットといったテーマはテレビやニュースでもよく取り上げられますので、投資信託を全く知らない人でもなじみがあります。

 

つまり売る側にとっても説明しやすいということです。でも”わかりやすい“ことと“儲かるかどうか”はまったく別物です。

 

 

テーマ型投信で注意したいポイント

 

さらにテーマ型投信には気を付けたがほういいポイントがあります。

 

それは一般のニュースや話題で取り上げられているということは、すでに株式市場でも関心が高まっているので、株価も高値圏に来ている可能性が高いということです。

 

確かに「長期的に成長が期待できる分野」かもしれませんが、株式市場は短期的には実態をかなり先取りして動く場合が多いのです。

 

したがって、テーマ型投信が設定されたときは往々にして投資対象の銘柄がすでに高値圏になっている可能性が高いといえます。

 

ただし、こうしたテーマ型投信は短期的には儲かる可能性もあります。

 

高値圏にいるということはそれだけ株価の動きも大きくなっていますから、設定してごくわずかの間に急騰することもあり得ます。

 

そうなると一気に人気が高まり、さらに売れることになりますから、販売するほうも熱心に勧めてくるでしょう。

 

それも理解したうえで短期売買する人以外、特に長期的に資産形成を目指す個人投資家はテーマ型投信を買わない方が賢明だと思います。

 

 

ヒューリスティックとは

 

直感的な判断(速い思考)を「ヒューリスティック」と言います。

 

スピード感があるため「思考の近道」などと言われたりもしますが、往々にして間違いもあるため「早とちり」などと表現されたりもします。

 

例えば、このような問題があった時あなたならどう考えますか?

 

「ここにあるバットとボールは合わせて1,100円です。バットの値段はボールより、1,000円高いとき、ボールの値段を求めなさい」

 

直感的に「ボールの値段は100円」と答えがちです。しかし、この場合バットは1,100円となり、ボール100円との合計額が1,200円になってしまいます。

 

一方で時間はかかりますが、

(バット)-(ボール)=1,000円

(バット)+(ボール)=1,100円

の連立方程式を解くと、ボールは50円となります。

 

直感的判断であるヒューリスティックは素早く答えをイメージしますが、早とちりもしがちです。

 

一方、連立方程式を立てて答えを導く論理的な判断(遅い思考)は、時間がかかる反面、直感的判断の誤りに気付き修正することも可能です。

 

典型的なヒューリスティックをいくつか紹介します。

 

自動車事故などの不慮の事故と肺炎での年間死亡者数が多いのはどちらでしょうか?

 

実際は2倍以上肺炎で亡くなるほうが多いのですが、記憶に鮮明なもの、テレビや新聞などでよく目にするもの、印象が鮮明なものをベースに判断してしまいます。

 

これを「利用可能性ヒューリスティック」と言います。

 

身だしなみがしっかりしている人を見ると「この人は仕事ができそうだ」と思うことがありますよね。

 

しかし、本当に仕事ができるかどうかはわかりません。物事の代表的な側面からのみで判断してしまう早とちりを「代表性ヒューリスティック」と言います。

 

ただし、ヒューリスティックは必ずしも間違った行動とは限りません。

 

人は日常的に繰り返される判断では、ヒューリスティックに頼ることで時間と労力を節約できるからです。

 

直感的判断と論理的判断をバランスよく活用することが大切です。

 

 

わかりやすさに飛びつかない

 

テーマ型投信は投資対象を自ら狭めてしまうので合理的ではありません。

 

アクティブ型投信で大切なことは投信テーマではなく、運用評価における5つのP=Peformance(運用成績)、People(人材)、Philosophy(運用哲学)、Process(運用手法)、Portfolio(資産構成)をしっかりとチェックすることです。

 


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