行動ファイナンスを理解すれば投資で儲かる!? 投資信託編 その1


 

経済学では人は自己の利益を最大化するように合理的に行動する、と言われています。

 

しかし、実際にはよく不合理な行動をすることは何となくお気づきだと思います。

 

行動ファイナンスとはそうした人が無意識のうちに犯してしてしまう「心のワナ」を解明し、間違った判断に陥るメカニズムを解き明かす学問です。

 

 

今回は行動ファイナンスをもとにしたより良い投資の判断と選択方法をご紹介していきます。

 

 

行動ファイナンスを活かした投資信託の選び方

 

投資信託の「基準価額」は判断基準ではありません。

 

投資信託には基準価額があります。

 

これは

 

投資信託の純資産総額を総口数で割った1口または1万口当たりの価額

 

で、わかりやすく言えば投資信託の値段のことです。

 

この基準価額は組み入れている運用先の価額によって毎日変動します。

 

ところが多くの人がこの基準価額を誤解しています。

 

具体的には基準価額が

 

1万円以下なら買い」「2万円を超えているようなものはとても買えない

 

といった具合に基準価額の高低を判断基準にしている人が多いことです。

 

例えば日経平均に連動するAとBという投資信託があって、Aの基準価額が1万5,000円、Bの基準価額が8,000円だとします。

 

この場合、多くの人はBのほうが割安だと考えて、

 

「1万5,000円もするAの投資信託はとても買えない」と判断しがちです。

 

しかもこれは一般投資家だけではなく、銀行や証券会社等の販売サイドも同じように

 

「いくら成績が良いファンドでも基準価額の高いものは割高だから顧客に売れない」と思っています。

 

そこで、新たに1万円で基準価額をスタートできるように、どんどん新しい投資信託を設定することになります。

 

なぜ基準価額を判断基準にしてはいけないのか

 

この考え方は全くダメです

 

なぜなら、投資信託の基準価額はスタートしたときのマーケット環境に大きく左右されるからです。

 

日経平均が2万円の頃にスタートした投資信託の場合、現在の基準価額はおそらく1万1,000円程度でしょう。

 

ところが日経平均が1万円くらいの頃にスタートした投資信託は、現在だと2万2,000円〜2万3,000円くらいになっているはずです。

 

現時点でとちらを買っても将来のリターンはほぼ同じぐらいになるでしょう。

 

仮に今から日経平均が倍になれば、両方の投資信託は共に基準価額は倍になるからです。

 

つまり基準価額の高低は、単に設定されたときの環境が高いか安いかだけで、投資信託自体の運用成果とはあまり関係はありません。

 

もし日本の株式市場全体がかなり高い水準になっていると判断するのなら、どちらの投資信託も買えないことになります。

 

まだ上がると判断するなら、どちらを買ってもよいのです。

 

唯一の判断基準は手数料等コストの水準です。

 

こういった知識のない人のみならず、理屈を理解している人でよ「2万円を超えていては買いにくい」

 

など基準価額を判断基準にしてしまうのはなぜでしょうか。

 

これはプロスペクト理論における参照点依存症が影響しています。

 

参照点依存症とは、数値やその価値を絶対評価するのではなく、他と比較して相対評価する傾向のことを言います。

 

このため、相対的に価値の高いものよりも安いものを選んでしまうということになります。

 

こうした勘違いに惑わされないようにすることが重要です。

 

 

 

参照点依存症とは

 

例えば、AさんもBさんも現在500万円の資産を所有しています。

 

資産の同額のため、その効用(満足度)も同じとするこが従来の経済学の考え方です。

 

しかし、実は前日のAさんの資産は100万円で、Bさんの資産は900万円でした。

 

つまり、Aさんは400万円増えて500万円になり、Bさんは400万円を失って500万円になったのです。

 

この状況を踏まえると、現在の資産が500万円という事実は、Aさんにとっては幸せで、Bさんにとっては悔しいものになります。

 

ここで言う前日の資産、つまり当初の富の状態のことを「参照点」と呼んでいます。

 

「人は富そのものではなく、富の変化量から効用(満足度)を得る」ということです。

 

参照点を意識することで、その変化に気づくことが可能になります。

 

 

他と比較した基準価額に惑わされない

 

投資信託を選ぶ場合は、①投資対象、②投資手法、③運用のコスト、といった基本的な項目をしっかり確認しましょう。

 

当初の運用方針どおりにきちんと運用されているかどうか、インデックス型であれば、ベンチマークから乖離してないか、

 

あるいはアクティブ型であれば、ベンチマークをどれくらい上回っているのか、

 

を冷静に見たうえで購入するかどうかを決めるのが正しい選択の方法です。

 

 

つづく

 


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