NISA投資での5年 国内外株で大きなリターン!


2014年1月に始まった少額投資非課税制度(NISA)は18年の年末、最初の非課税期間(5年)が終了します。

 

過去5年の市場環境はおおむね良好でした。14年にNISA口座を開いて投資信託を購入した人は、今も持ち続けていたらどれぐらいのリターンを獲得できたのか。

 

18年9月までの投資実績を点検し、改めてNISAの利用法を確認してみます。

 

■国内株投信は一括投資で元本1.7倍に

 

さまざまな投資パターンによるリターンの違いを探るため、まず主要な分類ごとに純資産残高が最も大きな指数連動型投信(設定後年数が5年超、分配金なし)を選びました。

 

その上で、
(1)100万円を一括投資

(2)今年9月まで毎月末に1万7544円を積み立て投資(元本合計は100万円)

(3)毎月末に8万3333円を積み立て投資(年間100万円、元本合計は475万円)したケースについて試算しました(手数料は考慮せず)。

 

結果は、すべての分類の投信が一括投資、積み立て投資のいずれでも利益を上げていました。

 

リターンが最も大きかったのは、国内株投信に一括投資したケースです。期間中の相場上昇を反映し、元本は1.7倍強に膨らみました。世界的な景気拡大で外国株投信に一括投資したケースでも元本は1.6倍強になりました。

 

また、毎月末に積み立て投資したケースでも国内株投信の元本は1.4倍弱、外国株投信も1.3倍弱になりました。5年前に国内外の株式投信を選択した人は、NISA投資の勝ち組といえそうです。

 

ただし、今回は一括投資のリターンが積み立て投資を上回りましたが、この手法は投資を始めた時期が運用成果を大きく左右します。

 

NISA口座では譲渡益や分配金に税金が掛からないので、表の国内株投信を9月末に売却した場合、本来ならば収めるべき税金(74.4万円×20.315%=15万1143円)はゼロになります。

 

利益が大きくなるほど、非課税のメリットは切実に実感できます。

 

その非課税メリットを最大限に享受するため、NISA口座は「高リスクの商品に投資して大きなリターンを狙うときに使う」という考え方があります。

 

制度本来の趣旨には合わないが、一理はあります。ただし、損失が出た場合は一般口座と異なり、他の投信などと損益を通算できず、節税メリットは受けられないので注意が必要です。

 

 



■投資期間5年以下なら低リスク投信

 

では、これからNISAを利用するときも、投資するのは高いリターンが見込める国内外の株式がいいのでしょうか。それは人それぞれで、各人のリスク許容度によって違ってきます。

 

NISAの弱点は投資期間が原則5年間で、6年目に保有商品をその年の非課税枠に移行(ロールオーバー)しても最長10年に限られる点です。

 

例えば、14年に購入した投信を19年の非課税枠にロールオーバーする場合、非課税期間は23年までとなります。

 

仮にリーマン危機のような大きなショックが株式市場で発生した場合、投資期間中に株価が回復しないケースもあり得りえます。

 

そう考えると、想定する投資期間が5年以下の場合や、損失に対する耐性がない人は、低リスクの投信を選んだ方が無難です。

 

もっと保守的な運用をしたいなら、低リスク投信を積み立てるという方法があります。一括投資に比べ、積み立て投資には相場の下落時に損失を抑制する効果があります。

 

積み立て投資でも国内外の株式投信は大きなリターンをもたらしましたが、途中経過を見ると、人民元安を引き金とする「中国ショック」が起きた16年ごろには含み損が20万円を超えた時期があります。

 

一方で、株式組み入れ比率を30%にとどめた安定運用型のバランス型投信だけは、投資期間中に一度も損益がマイナスになりませんでした。

 

国内外の債券を多く組み入れているため、株価の上昇時でも基準価格が大きく値上がりすることはないが、株価の下落時には分散効果で損失を抑制してくれます。

 

 



■避けたい毎月分配型やテーマ型

 

せっかく資産を増やそうとNISAを利用しながらもったいないと思うのは、頻繁に分配金を出すタイプの投信を購入したケースです。

 

NISA口座では自動で分配金を再投資できないので、分配金が出るたびに運用額は実質的に減り、運用成果も小さくなります。

 

毎月分配型で残高が最大のフィデリティ・USハイ・イールド・ファンドを5年前に一括投資で100万円購入したケースを確認しよう。

 

5年後の利益は分配金を受け取ったときが約30万7000円だったのに対し、分配金を再投資した場合は約42万4000円と、10万円以上の開きがありました。

 

今でも銀行窓口などではNISA口座で毎月分配型を購入する人がいます。しかし、頻繁に分配金を払い出す投信は、資産を増やす目的には適しません。

 

NISAに限ったことではないありませんが、その時々の市場で話題の銘柄を買うテーマ型の株式投信も当たり外れが大きく、投資の初心者には難度が高くなります。

 

5年前に米アップルやアマゾン・ドット・コムなどの株式をたっぷり組み入れたネット関連投信を購入した人は大満足でしょうが、当時はやったシェールガス・オイル関連など、資源・エネルギーをテーマにした投信の購入者は散々の結果でした。

 

今年は非課税の投資期間が20年と長くなります。つみたてNISAが始まり、話題はそちらに集中しました。しかし、年間の投資枠が120万円(つみたてNISAは40万円)と大きく、投資対象の商品も幅広い一般型のNISAは、使い勝手の面で自由度が高いです。

 

制度の存続・改良を後押しするためにも、もっと多くの人がNISAを上手に活用する必要がありそうです。

 



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