「積立」投資を検証する!


「長期」「分散」投資を確実に実現、継続するための仕組みとして「積立」があります。

 

ここでは一括投資とどちらがいいのか、定期定量と定期定額のどちらがいいのか?

 

などの疑問を取り上げ、理論とデータから検証していきます。

 

積立と一括、どちらが効率のいい投資か

 

積立と一括の投資効率を検証するために、過去10年間の日経平均株価指数の月次データから通算のリターン(連続複利収益率)をのリスク(標準偏差)で割ったものを投資効率とみなします。

 

この値が高ければリスクよりリターンが大きく、投資効率が高いと言えます。

 

一括か積立かを選択する場合、まず投資効率が高い投資法を選択するのが合理的だからです。

 

一括投資より積立投資のほうがやや投資効率が良いように見えますが、経過年数が大きくなるほど効率の誤差は大きくなります。

 

経過年数が小さい期間の投資効率は一括も積立もほぼ同じであり、その大きな差が見られないことから、両者の効率はほぼ同じと考えてよいです。

 

したがって効率重視なら一括も積立も変わりません。

 

一方で一括投資額と積立総額が同じなら、つみたてNISAが終了する39年後の期待資産額と一括投資の20年後の期待資産額は同じになります。

 

その分、積立投資は時間効率は悪くなるが同時にリスクも低減されるため、高値づかみのような事態を軽減できます。

 

つまり積立投資は、よりマイルドで堅実な投資法と言えるでしょう。

 

さらに長期間耐えうる投資先として、個別銘柄の信用リスクがないインデックスのような分散投資を選択するのは必然と言えます。

 

現実には投資の初期に資金の全額が用意できるケースは少く、給与から天引き等で積み立てることが多いでしょう。

 

また一括投資をするにしても人生において何度も実行できない場合が多く、少ない頻度での一括投資はタイミングリスクが高まってしまいます。

 

したがって一括と積立の効率が変わらないとすれば、積立投資のほうが現実に即した合理的な投資法と言えます。

 

「長期×分散×積立」投資が合理的と言われる理由はまさにこのとおりなのです。

 



 

定期定額(ドルコスト平均法)と定期定量、どちらが有利か

 

次に積立の中でも定期定額(定期的に同一金額、いわゆるドルコスト平均法)と定期定量(定期的に同一口数)積立、同じく取崩の各パフォーマンスの違いを検証します。

 

検証データは2000年以降の月次日経平均株価指数を参考にしました。

 

まず毎月1万円を10年間積み立てる定期定額積立と、毎月7,328口を積み立てる定期定量積立のパフォーマンス(最終時価/投資総額)を比較します。

 

ここでの7,328口は検証期間中の平均買付額が定額と同じ1万円となる口数です。

 

2000年から2008年まで開始タイミングをずらしながら10年間の積立投資のパフォーマンスを計算し、その平均をとりました。

 

積立では定期定額が定期定量より平均約7%パフォーマンスが向上しました。

 

同様に取崩の場合も調べます。当初300万円の資産を毎月1万円ずつ10年間取り崩す場合と毎月7,328口取り崩す場合に分け、パフォーマンスを比較しました。

 

取崩では逆に定期定量が定期定額より平均約3%パフォーマンスが向上しました。

 

特定条件での検証ではありますが、積立では安いときにたくさん買い、高いときに少なく買う、取崩では安いときに少なく売り、高いときにたくさん売るという、一貫した行動がパフォーマンスを引き上げました。

 

ただし超長期では少し異なるかもしれません。

 

例えば1926年から1991年の65年間の米国株式投資では定期定量投資のパフォーマンスが定期定額よりもよいといった報告があり、これは主にインフレによる影響と考えられます。

 

なので、期間10年程度であれば定期定額投資(ドルコスト平均法)および定期定量取崩がおおむね有利だとしつつ、インフレ等の状況に応じて積立額を変えるなども検討しましょう。

 

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積立に関するQ&A
Q.タイミングを見て一括投資するほうがリターンはいいのでは?

 

A.一括投資は時間効率が高い反面、タイミング投資の側面があり、買いどきを見極められずにいつまで投資に踏み出せなかったり、逆に高値づかみした場合には回復に時間がかかってしまいます。

 

心理的負担が大きく、リターンが高い分、リスクも大きいことを事前に理解しなければなりません。

 

もちろん手元にまとまった資金があり、10年や15年間など限られた期間の運用であれば一括投資も重要な選択肢となります。

 

また一括か積立かの二者択一ではなく、一括と積立を併用した資産形成プランなど柔軟に対応する必要があります。

 

Q.毎日積み立てたほうが実績はよくなる?

 

A.定期定額(ドルコスト平均法)による投資で「積立間隔」による違いについて、日経平均株価指数の2015年以降のデータを用いて、毎日積立(日次)と毎月積立(月次)のパフォーマンスを比較します。

 

同期間の毎日積立のリターンは平均3.4%、毎月積立が3.8%となりました。

 

毎月積立がやや有利との結果になりましたが、積立間隔が長くなるほど一括投資の特徴を帯び、極端に言えば積立間隔10年の積立投資と10年一括投資は同じになりす。

 

上昇相場であれば毎日積立よりも一括投資の性格が強い毎月積立が有利になる可能性は十分にあります。

 

実際、リターンの標準偏差は毎日積立9.4%、毎月積立は9.5%と毎月積立のほうが上回っています。

 

上昇相場と下落相場それぞれにおいて、毎日・毎月積立のパフォーマンスの違いを検証しました。

 

2015年中頃から2016年中頃までの1年間、日経平均株価は下落相場でしたが、その後は上昇基調に転じています。

 

下落基調の影響を受けた2016年中は毎日積立が毎月積立のパフォーマンスを上回り、逆に上昇基調の2017年中は毎月積立が毎日積立を上回っています。

 

このことは、下落基調・上昇基調のいずれの期間でも毎月積立のほうが毎日積立よりもハイリスク・ハイリターンであることを示しています。

 

したがってタイミングによるリスクを取りたくなければ、より積立間隔を短くするのが妥当です。

 

現実的には、毎日積立が最も低リスクと言えます。

 

ただ、現状では毎日積立が設定可能な金融機関はまだ少ないです。

 

一方、毎月積立に対応している金融機関は多いのでタイミングリスクを取りたくない人に対しては毎月積立がおすすめかと思います。

 




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