住宅ローンの団信で、がん診断ならローン半分!?


住宅ローンを契約する際、通常の団体信用生命保険(団信)に上乗せして、病気などに備える保障が多様化しています。

 

中でも最近、注目されているのが「がん50%保障」タイプです。

 

がんと診断されると残債が半減します。「保険料」に当たる負担が低いのが利点ですが、いくつか注意点もあります。

 

診断確定日が基準

 

がん以外の病気も保障する他行のローンも検討したが、保障条件に「就業不能状態」が含まれていたため、「コストの高さに見合った保障が受けられるか疑問」と考えました。

 

住宅ローンに50%のがん保障をつける金融機関が増えています。

 

2015年末に始めたじぶん銀に続き、今年6月にはARUHI、8月にはソニー銀行が同タイプの保障を扱い始めました。

 

共通するのは「保険料」に当たる負担(住宅ローン金利への上乗せ)が非常に軽い点です。

 

じぶん銀、ソニー銀は上乗せ金利はゼロです。

 

ARUHIは0.05%の上乗せが必要ですが、この保障を付けられる主な対象ローンは通常のフラット35より0.05%以上金利が低い「保証型フラット35」なので、通常のフラット35と同水準の金利で保障を手厚くできます。

 

3大疾病、8大疾病などを保障する保険付き住宅ローンは一般的に、借入金利に0.3~0.4%上乗せして保険料を支払います。

 

3000万円を元の金利1%で借り入れ、0.3%の上乗せ保障を付けると、20年返済なら20年間で支払う保険料は約97万円になります。

 

がんと診断されたら残債がゼロになる「がん100%保障」も0.15~0.2%程度の上乗せがあります。

 

がん50%保障の保障対象はがんのみで他疾病は含みません。

 

保障条件は上皮内がんなどは除くが、がんと診断されるだけでよく、入院日数や就業不能状態などは含まれません。

 

50%に減らす残債の基準は診断確定時です。

 

例えば、がんと診断された後、治療や職場への説明などに追われ、住宅ローンの保障申請時期が遅れるうちに返済日が来て残債が減ってしまった場合も、残債の基準は診断確定時に遡って計算されます。

 



 

医療保険の併用も

 

残債がゼロにはならないですが、残債によっては保障額が数千万円に上る例も多いです。

 

通常のがん保険では数千万円単位の診断一時金をつけるのは通常、不可能なため、一定の優位性はありそうです。

 

もしがんと診断され、残債が50%になった後、病状が悪化して死亡してしまった場合は、万一の死亡時は通常と同様に残債はゼロになります。

 

じぶん銀やARUHIも同様です。

 

コストがゼロなので検討する人も増えそうだが、利用には注意点もあります。

 

まず、年齢制限があり、通常50歳を超えると利用できません。借り換える計画があるなら、40代のうちに検討したいですね。

 

保障範囲はがんに限定され、がん診断後も返済は続きます。

 

団信があるからと、それ以外への備えが手薄な人もいます。

 

がん以外の病気やケガに備える医療保険なども検討しましょう。

 

地震や豪雨などで被災した際に、住宅ローン返済を一部補償する特約を扱う銀行が広がっています。

 

借金が一部免除される安心感に加え、復旧時の生活資金に不安を感じる利用者の共感を得ています。

 

ただ免除期間や上乗せ金利など条件は各行で異なり、特性を把握する必要があります。

 

最大では24回分

 

地震や津波、台風、雪災など自然災害の場合、毎月の約定返済額が最多24回分免除されます。

 

家屋が全壊すれば24回、大規模半壊なら12回分、半壊なら6回分です。

 

例えば元本と利息を合わせた毎月の返済額5万円のケースであれば、最大120万円の支払いが不要となります。

 

1億円以下の借り入れに付けることができます。

 

新生銀の特約は、住宅ローン金利に対する上乗せ金利が必要ありません。

 

電話するだけで最短6営業日で特約が実行されます。これで住宅ローンの引き落としが止まります。被災直後に1円でも返済を気にせずに済む設計としてます。

 

これまで特約に加入できるのは「新築の戸建て」の「物件購入時」に限っていた。9月からマンションや中古物件、借換時にも利用できるようにしました。

 

ただ契約時に5万4千円の事務手数料が必要で、補償期間は10年間に限ります。

 


上乗せ金利手数料の確認を

 

日本経済新聞の調べでは、自然災害特約を取り扱うのは全国10行ほどです。

 

新生銀や愛媛銀は上乗せ金利の代わりに手数料を徴収するが、他の銀行は金利0.035~0.3%を上乗せするタイプです。

 

一度の被災に対する補償期間も6~24回と様々です。家屋の被害も全壊と大規模半壊だけを補償対象としている銀行もあります。

 

特約は住宅ローンを借りる新契約者が対象だが、関西アーバン銀行は手数料を払えば既存の借り手も加入できます。

 

補償の仕組みは新生銀は免除型で、他行は全て返済した金額を後から払い戻す仕組みです。

 

払い戻し型は罹災証明書を提出すると、翌月分までの返済分を一括で受け取り、残りの期間は毎回、返済分を数日後に受け取れます。

 

新生銀や三井住友銀など先行組に加え、みずほ銀が2月、イオン銀、広島銀が7月から取り扱いを始めました。

 

三井住友は「住宅ローン利用者の約15%が特約に加入している」。関西アーバン銀も18年4~6月は前年同期比で加入者が6割増えました。

 

内閣府によると東日本大震災で全壊被害に遭った住宅の新築費用は平均で約2500万円でした。

 

一方で公的な生活再建支援金や義援金で被災者が受け取ったのは約400万円でした。

 

さらに家財や一時的な引っ越し費用など生活再建にはさらに多額のお金が必要となります。

 

地震への備えには保険会社の地震保険があります。ただし、補償限度額は「火災保険の契約金額の最大50%」です。

 

しかも、上限5千万円です。銀行が提供する災害特約地震保険だけでまかなえない生活再建資金に充ててもらうのが狙いです。

 

さらに手厚い補償も選択できます。三井住友とみずほはローン残高の50%相当を免除する特約も扱っています。

 

対象は地震、噴火、津波に限定され、上乗せ金利は0.3~0.5%と返済補償タイプより高くなります。

 

ただ建物部分の借り入れのみが対象となるため、土地も一緒に購入する場合はローンを2口に分ける手間がいる点などは留意が必要となります。

 

住宅金融支援機構の実態調査によると、56.5%の人が変動型の住宅ローンを選んでいるうえ増加傾向にあります。

 

また、当初5年間、10年間などと一定期間は固定金利で、それ以降は金利変動の影響を受ける固定期間選択型を選ぶ人と合わせると8割以上です。

 

ただ、このうち4~5割の人はローンの特性や金利上昇リスクへの理解度があまり高くはない結果も出ています。

 


変動型や固定期間選択型は、金利上昇時の返済額のチェックを

 

金利がいつ、どの程度上昇するかは専門家でも予想することは困難です。

 

一方、金融緩和を永続させられないのは誰の目にも明らかで、「しばらくは低金利が続いてもいつか金利は上昇する」という見解が一般的でしょう。

 

変動型や固定期間選択型を選ぶなら、金利上昇時にどの程度の返済額になるのかなどを事前に調べるべきです。

 

例えば変動金利0.9%、返済期間35年、借入額5000万円、元利均等返済、ボーナス返済なしの場合、金利に変動がなければ毎月13万8825円の返済を420回行い、総支払額は約5830万円となります。

 

一方、例えば3年後から10年かけて0.2%ずつ金利が上昇、最終的に2.9%まで上昇したらどうでしょう?

 

変動型は返済額が5年間一定で、上昇する場合はそれまでの返済額の1.25倍が上限というルールがあります。

 

このため、金利が上昇しても返済額が変わらない期間は利払いが増え元本返済が減少。金利上昇が止まった時点から徐々に利払いが減少し、元本返済が進みます。

 

今回の想定だと、最終的に毎月の返済額は18万3580円まで上昇します。

 

当初返済額との差は4万4755円で、総支払額は約7200万円に達します。

 

仮に全期間固定金利1.4%で借りていれば、毎月の返済額は15万655円、総支払額は約6330万円にとどまります。

 

変動型は金利上昇が激しいと返済額より利払い額が大きくなるケースがあります。

 

元本返済は一切進まず、未払い利息が積みあがっていくという最悪の状態になる可能性もあります。

 

固定期間選択型は返済額が5年間一定で1.25倍を上限とするルールがないので、固定期間が終了すると返済額が大幅に上昇する可能性があります。

 

固定期間終了後に優遇金利の適用がなくなる商品が多い点も注意が必要です。

 

変動金利が上昇したら、固定金利に借り換えればよい」という人がいますが、大きな間違いです。

 

変動金利が上昇し始めるということは、それより以前に固定金利が上昇しているのが一般的だからです。変動金利が上昇してしまってからでは遅いのです。

 

30年を超える返済が前提の住宅ローンで変動型や固定期間選択型を選ぶ際は、慎重に慎重を期すべきでしょう。

 




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