ファンドラップの契約数の増加、おまかせ運用する時代!


投資家が金融機関に運用を一任するラップ口座の契約が増えています。

 

日本投資顧問業協会によると、2018年6月末の契約状況は、投資信託で運用するファンドラップを中心に75万8140件、8兆2760億円となりました。

 

投資顧問料、運用管理料、信託報酬などがかかり、割高との見方もありますが、顧客は高齢者が中心とみられ、お任せ運用にメリットを感じています。

 

もっとも米国には6兆ドル前後の残高があり、日本は大きく出遅れています。

 

ラップ口座は1年前に比べて件数が28.3%、金額が19.5%伸びました。

 

12年までは契約金額が数千億円で一進一退が続いていたましたが、13年のアベノミクス相場の始動とともに残高が増え始めました。

 

そして、15年9月末に5兆円台、16年9月末に6兆円台、17年9月末に7兆円台と順調に増えて、18年6月末に8兆円を超えました。

 

同じラップ口座でも、超富裕層の個別ニーズに沿って一任運用サービスを提供するSMA(セパレートリー・マネージド・アカウント)は少なく、ファンドラップが8兆1038億円と全体の97.9%を占めています。

 

運用会社別では野村証券が2兆7162億円と最も多く、次いで大和証券が2兆490億円、SMBC日興証券が1兆8374億円、三井住友信託銀行が8447億円となっています。

 

契約金額を件数で割った1件当たりの残高は1091万円で、もっぱら富裕層や準富裕層が活用しています。

 

各社は最低契約金額を300万~500万円に引き下げるなど、裾野拡大に躍起になっています。

 

ファンドラップの手数料は決して低くはありません。

 

例えば野村証券では投資顧問料が最大で運用資産の0.4104%(固定報酬制の場合、税込み、年率)、運用管理料が最大で運用資産の1.296%(税込み、年率)かかるります。

 

このほかに投信の信託報酬が信託財産の0.65~2.05%(同)かかり、解約時には信託財産留保額(最大で信託財産の0.5%)も徴収されます。

 

20年も運用すれば、合計の手数料は投資元本の50%を優に超え、証券界内部からも「やや高すぎる」との声も出ています。

 

それでも高齢者を中心に、大まかな投資方針を決め、口座に入金するだけで、あとはお任せで資産を運用してもらえるサービスに利点を感じている顧客は多いようです。

 

退職金を受け取って初めて本格的な資産運用に乗り出す人や、自分で個別株や投信を選別して投資するだけの時間が取れない人が契約するケースが多いそうです。

 

大手証券によると、金融資産を相続した40~50歳代の利用も増えているといいます。

 

ファンドラップの好調は証券会社の収益を着実に押し上げています。

 

野村ホールディングスでは投信やファンドラップなど顧客資産の残高に比例して入るストック収入が、18年4~6月期に225億円と前年同期を11.7%上回りました。

 

リテール部門の株式の委託売買手数料(4~6月期で168億円)や投信販売手数料(同185億円)を上回り、経営基盤の安定に寄与しています。

 

大和証券グループ本社では18年4~6月期のラップ関連収益などの収入が前年同期比18.5%増の96億円になりました。

 

SMBC日興証券では18年4~6月期のファンドラップ手数料と投信の代行手数料が合計で同33.3%増の156億円になりました。

 

一方で金融機関にとってドル箱だった毎月分配型投信は、運用環境の悪化を背景に分配金の引き下げが相次ぎ、解約が止まりません。

 

投資信託協会によると、毎月分配型投信からの資金流出額は17年が年間で1兆5427億円、18年が1~7月の合計で1兆8241億円になりました。

 

運用成績の悪化もあって、7月末の純資産総額は25兆8936億円とピークの15年5月末の43兆1792億円から40%も減ってしまいました。

 

毎月分配型投信を解約してファンドラップに資金を振り向ける動きもありそうです。

 

顧客が簡単な質問に答えると、コンピューターが最適な資産配分を導き出し、自動運用してくれる「ロボアド」の契約も、大きく伸びています。

 

6月末には件数が17年末比71.3%増の16万939件、金額が同56.0%増の1526億円になった。ウェルスナビが866億円と最も多く、次いで楽天証券が353億円、お金のデザインが271億円の順です。

 

ただ、顧客層の中心が金融資産の少ない20~40歳代のため、ファンドラップ全体からみると、存在感はまだまだ小さいです。

 

米国では資産運用大手のバンガードやオンライン証券のチャールズ・シュワブがロボアドを提供しており、独立系大手のベターメントやウェルスフロントも含め、2000億ドル近い残高があります。

 

日本のロボアドは16年からサービスが始まったばかりで、まだ進化の途中であり、専業の運営会社は赤字が続いています。

 

ロボアドがもっと伸びるには、NISAやiDeCoと結びつく必要がありそうです。

 

勤務先に企業年金がない会社員の場合、iDeCoに毎月2万3000円、つみたてNISAに毎月3万3333円の拠出ができるため、多くの人は運用益に税金がかかるロボアドまで資金を振り向ける余裕がありません。

 

米国や英国では非課税口座でもロボアドが利用できます。

 

日銀の資金循環統計によると、個人金融資産1829兆円(3月末)のうち、投信は4.0%に当たる73兆円にすぎません。

 

ファンドラップは投信の10%強にとどまり、ロボアドはファンドラップの2%もありません。

 

米国では個人金融資産81兆7452億ドルのうち、10.6%に当たる8兆6768億ドルをミューチュアルファンドが占め、ラップ口座(マネージド・アカウント)には約6兆ドルの残高があります。

 

 




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