相場急落に備える資産配分とは?


2008年9月のリーマン・ショックから丸10年になります。

 

「100年に1度の衝撃」にめげずに投資を続けた人は、大きな果実を得ました。

 

「投資の継続」「急落に耐える資産配分」という2つの教訓は、次に訪れる金融危機にも応用できそうです。

 

02年から積み立てで国際分散投資してきた会社員でブロガーの水瀬ケンイチ氏は、リーマン危機をこう振り返りました。

 

「しかし世界経済は長期では成長を続けると信じて積み立てを続けた」。昨年末時点で累計投資額約4000万円は、6400万円に増えています。

 

5~6年で回復

 

リーマン後の様々な資産価格は、ほぼ5~6年で回復しました。

 

資産を増やせたのは投資を続けた人です。

 

今後も危機は繰り返しやってきますが、リーマン級の危機が来ても投資を継続することが大事だとわかります。

 

下げる前に売り最安値で買い戻せばベストですが、相場を当て続けるのはプロでも困難だと思います。

 

不安になり投資をやめると、上昇の果実を得られない可能性も高まります。

 

実際、先進国株価に連動する指数「MSCIワールド」は1980年1月から今年7月までに42倍(ドルベース)になりました。

 

この462カ月のうち上昇率上位10の月に投資していなければ、上昇率は16倍に急減します。

 

上位10のうち3つの月は多くの人が「危機はまだ続く」と思っていたリーマン後3年半の底値圏の時期でした。

 

予測が困難だから、長期運用の国や企業の年金は世界中の株や債券に適切な比率に配分したうえで、局面ごとに配分比率をむやみに変えずに投資を継続する必要があります。

 

相場を当てる自信のない「普通の人」にも大切な姿勢です。

 

そのためには自分の耐性に合った資産配分がカギを握ります。

 

評価損が自分の許容範囲を超えると投資を継続できなくなるからです。

 

多くの機関投資家が現時点で見込む長期の期待リターンは国内外の株式で年率5~6%、海外債券で1~3%、国内債券で0~1%程度となっています。

 

国内外の株式の配分比率が高いほど長期で大きなリターンを見込めますが、値動きも大きくなります。

 

過去に米国が不況期に入った後の各資産の下落率をみると、局面で違うが株式の下げが大きいのが目立ちます。

 



 

 

過去の下落率基に

 

資産配分を考える際は、念のため最大評価損はリーマン危機時を想定しておきましょう。

 

ざっくりしたメドは国内株や先進国株は5割、新興国株は6割、海外債券は2割程度の損失です。

 

例えば、資産全体が1000万円で、先進国株と新興国株で500万円ずつ運用しているとすると、最大評価損はざっと550万円。この損失に耐えられないなら、株式の比率を減らす必要があります。

 

リーマン危機時も半分が債券なら下落率を抑えることができました。これが2つ目の教訓です。

 

自分に適した資産配分を決めた後、大きな上昇や下落があれば、乱れた配分比率を元に戻すリバランスを実行しましょう。

 

比率が想定より高くなった資産を売り、低くなった資産を買い増して元に戻す。資産を想定していた値動きの水準に戻すのが主な目的です。

 

国内外の株と債券4資産を基本配分とし、年に1度リバランスを続けた結果を試算しました。

 

放っておくと上昇する株の比率を元に戻し続けた結果、08年の下落率を抑えられました。

 

上がった資産を一部売り、下がった資産を一部買い続けるため、長期のリターンも高まりやすくなります。

 

危機の予兆はあります。

 

日本に大きな影響がある米国景気の戦後の拡大期間の平均は約5年ですが、今はもう10年目なります。

 

景気後退局面でほぼ共通する予兆は長短金利の逆転です。

 

2年物国債などの短期金利が長期金利(10年物国債金利)を上回って1年超たつと景気後退が起きてきました。

 

経済実勢を表す体温といわれる長期金利を、中央銀行の政策金利に左右されやすい短期金利が上回る状況は、引き締め効果が強くなりすぎていることを示します。

 

米利上げに伴い、長短金利差が近づき、先月下旬には一時0.2%弱まで縮小しました。

 

早ければ年内にも逆転が起こる可能性があります。

 

米利上げで新興国から資金流出が起きているし、米中貿易戦争による世界経済の下押し圧力も心配です。

 

一方で、米国では「利上げ早期打ち止め論」も浮上しています。

 

景気拡大が予想外に長引く可能性も捨てきれず、断定的な予測は困難てます。

 

次に危機が来たときに動揺して投資をやめてしまうか、続けられるか。それが長期の資産形成の分かれ道になることをリーマン危機が教えてくれています。

 

 



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