つみたてNISAの利用者増加


今年から始まった「つみたてNISA」は3月末時点での口座数の集計がまとまり、口座開設数は約51万口座となりました。

 

長期投資に適した低コストの投資信託に対象を絞り込んだため販売金融機関の利益が薄く、当初は極めて少ない口座数になるとの懸念もありました。

 

ただ3月末で50万超となったようで、業界関係者の当初予測を上回る結果となりました。

 

つみたてNISAは毎年40万円を上限に、20年間非課税で運用できる制度です。

 

やはり複数金融機関の推計では50歳未満が7割を占めていて「若い世代からコツコツ投資で資産形成を促す」という狙いは静かに浸透しつつあります。

 

面白いのはつみたてNISAの利用者に、人生や投資全般への「前向き感」とでもいうべき際立った特色があることです。

 

フィデリティ退職・投資教育研究所がこのほど現役世代1万人を対象にした調査でわかりました。

 

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まず投資に対するイメージ。
前向き・楽しい」などのプラスイメージの答えがつみたてNISA利用者の73%を占める。全体平均(32%)に比べて著しく高く、2014年から始まった非課税期間5年の一般NISA利用者(55%)に比べてもずっと高いそうです。

 

投資というと「怖い」というイメージを持ちやすかった日本人ですが、若い世代の一部に異なる考え方の層が育ち始めていて、彼らがつみたてNISAという仕組みに向かっている様子が見えます。

 

ちなみに一般NISAは50歳未満が3割にとどまり、高齢層の利用が多いです。

長期・分散・積み立て(時間分散)」という投資のセオリーへの理解度も聞いています。

 

つみたてNISA利用者はこの3原則への理解が全体平均よりかなり高くていて、特に時間分散の重要度への理解度の高さは全体平均との差が大きくなっています。

 

つみたてNISA利用者の実際の投資対象で平均との上方乖離が目立つのが外国株投信となっています。

 

積み立ての手法で世界全体に幅広く投資しようとする姿勢が垣間見えますね。

 

実際、つみたてNISAの口座数がトップとみられるSBI証券が公開しているつみたてNISAでの対象投信の5月のランキングでは、大半が外国株投信となっています。

 

バブルが崩壊した1990年以降今年5月まで、全世界を対象とした株価指数を表すMSCIアクイ(日本除く)の連動投信に定額で積み立て投資していた結果を試算すると、累計投資額の約3.4倍。東証株価指数連動投信(同1.8倍)を大きく上回っている結果となっています。

 

今後も日本株が相対的に不調かどうかはわかりませんが、世界経済の成長の果実を安定的に受けるには世界に幅広く投資する方がダイレクトに影響を受けます。

 

つみたてNISAの利用者にはそうした発想が見え、日本株の個別株投資が中心となりやすかった従来の個人投資家層とは異なり、新しい投資家層ともいえます。

 

「前向き」の姿勢は人生の過ごし方に関する質問でも共通です。

 

退職後の生活のイメージを聞くと「明るい・楽しい」「いきいき・はつらつ」との回答が全体平均に比べて突出して高く、逆に「ほそぼそ・質素」は平均よりかなり低い結果になりました。

 

退職後の楽しみを聞くと「ボランティア」「働き続ける」「家族との時間を楽しむ」との回答が多くありました。

 

なぜつみたてNISA利用者に「人生・投資」への意識全般で前向き感が強いのかは少し不思議で判然しません。

 

年齢が若いからといって前向き感が強いとはいえないことは、過去の様々な調査が示しているからです。

 

前向き感の強い人々と、「長期・分散・積み立て」という資産形成に合理的な仕組みに、ある種の親和性があるのかも知れません。

 




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