ビットフライヤーなど業務改善命令


金融庁が仮想通貨交換業大手のビットフライヤーなど6社に業務改善命令を出しました。

いずれも登録業者として「お墨付き」を得ていたにもかかわらず、反社会的勢力による取引を許すなどずさんな運営をしていたことが原因です。

 

各社が顧客獲得を優先して体制整備を怠ったためですが、登録業者への処分は金融庁による監督にも課題を突きつけました。

 

金融庁は登録申請中の「みなし業者」と並行して、顧客資産の保護体制などの審査を通過した「登録業者」にも立ち入り検査をしてきました。

 

検査の結果、マネーロンダリングなどの犯罪対策が不十分で、内部管理体制に重大な問題が相次いで見つかりた。

 

金融庁によるとビットフライヤーでは、本人確認で登録した所在地が「私書箱」になっていたり、登録審査時に事実と異なる説明をしたりしていたと言います。

 

反社会的勢力による取引を許していたほか、そもそも反社会的勢力かどうかを確認するリストすら持っていない業者もありました。

 

こうした事態の背景にあるのが、仮想通貨取引の急激な広がりです。日本仮想通貨交換業協会によると、2017年度の仮想通貨取引量は約69兆円と、1年間で20倍に急増し、顧客数はのべ360万人に上っています

 

交換業者は業容の拡大に伴い、コールセンターの設置や本人確認による資金洗浄対策の強化が必要でした。

 

しかし、登録後に十分な内部管理体制を構築できておらず、他社との競争で顧客獲得を優先するあまり、従業員の確保やシステム投資が後手に回りました。

 

金融庁がお墨付きを与えた登録業者ですらルールを守れていないのは深刻な問題です。大手業者は仮想通貨の健全な取引環境の整備に向けて、業界をけん引する立場にあります。

 

仮想通貨の専門技術者は不足しているが、内部管理体制は人員を増やせばある程度、対応できる課題です。

 

仮想通貨は少額決済や国際送金の手段としての発展が期待されています。しかし、現状では仮想通貨を「お金」として決済に使う動きは限られ、自己実現的な値上がり期待ばかり高まっています。

 

業者のずさんな管理体制のもとで犯罪などに悪用されれば「次世代の通貨」の芽を潰しかねません。

 

1月に多額の不正流出事件が起きたコインチェックを含めたみなし業者はすでに、全15社が行政処分を受けたり、撤退を決めたりした。金融庁は海外の無登録業者には警告を出しています。

 

ただ、登録業者まで軒並み行政処分に至った現状は、健全な市場育成に責任を負う金融庁にも課題を残すことになります。

 

仮想通貨は今後も成長が期待でき、交換業への新規参入を希望する事業者は多いです。

 

今回の行政処分を踏まえると、新規参入の事業者もいったん、登録業者として管理体制を認められても、市場の伸びに合わせて管理体制を充実しなければ、市場からの退出を迫られることになります。

 

仮想通貨を法律で規定した改正資金決済法の施行から1年あまり。伸びる市場の理想と現実のズレは、事業者と金融庁の双方が抱える問題を浮かび上がらせました。

 

仮想通貨の大手交換会社ビットフライヤーは6月22日、金融庁から業務改善命令を受けたことに対応し、口座開設など新規顧客の受け入れを停止する方針を固めました

 

新規顧客の獲得などに割いていた経営資源を法令順守など内部管理体制の整備に回し、立て直しを急ぎます。

 

金融庁はマネーロンダリング対策など内部管理体制が不十分だったとして22日午前、立ち入り検査に入っていたビットフライヤーに業務改善命令を出しました。

 

ビットフライヤーは約200万人の既存顧客の仮想通貨売買の受け付けは止めませんが、新規顧客の受け入れを一時的に止めます。

 

改善命令に基づく体制見直しが完了し次第、受け入れを再開する予定です。

 

金融庁はビットフライヤーに加え、QUOINEやビットバンクなど改正資金決済法に基づく他の仮想通貨交換会社にも業務改善命令を出しました。

 

金融庁は顧客数や預かり資産の拡大に各社の管理体制が追いついていないとみており、ビットフライヤーのような動きが拡大する可能性があります。

 

以下、ビットフライヤーからのお知らせになります。

当社への行政処分に関するお詫びとお知らせ
本日、株式会社 bitFlyer(本社:東京都港区、代表取締役:加納 裕三、以下、「当社」)は、下記のとおり、金融庁より資金決済に関する法律第 63 条の 16 に基づく業務改善命令を受けました。

 

今回の業務改善命令により多大なるご心配とご迷惑をおかけしたお客様ならびに全ての関係者の皆様に対し、深くお詫び申し上げます。

 

当社におきまして、一定のお客様に対して実施が義務付けられている本人確認プロセスに関し、運用の不備が認められました。当社では、このような事態が発生した原因調査を行い、速やかに適正な管理体制を構築するための改善プランとして、既存のお客様に対する本人確認状況の再点検を行うことを決定いたしました。

 

これにより、お客様のご登録情報に万が一不備及び不足が認められた場合には、お客様の本人確認プロセスを改めて実施させていただく必要がございます。したがいまして、一部のお客様には本人確認書類の再提示等をお願いする場合もあり、ご不便とご迷惑をおかけすることを深くお詫び申し上げます。当社は、本措置により法令遵守の徹底と健全な取引環境の構築を図ってまいりますので、何卒ご理解とご協力のほど改めてお願い申し上げます。

 

なお当社は、既存のお客様への本人確認状況の再点検が完了し、かつ、内部管理体制強化が整うまでの間、新規のお客様によるアカウント作成を自主的に一時停止させていただきます。当社サービスのご利用を新たにご検討いただいておりましたお客様には大変ご迷惑をおかけしますことを、謹んでお詫び申し上げます。

 

当社経営陣以下社員一同が、今回の業務改善命令を真摯に受け止め、このような事態が二度と起きないよう再発防止策を策定し、改善プランを着実に実施いたします。また全社を挙げて、関係法令の遵守と一層の管理体制強化を徹底し、お客様の信頼回復に努めてまいります。

 

なお、改善プランの実施状況や新規申込受付の再開目途については、適宜、当社のホームページにおいてお知らせするとともに、既存のお客様に対する本人確認プロセス再実施のお願い事項については、今後、対象のお客様毎に個別にご連絡をさせていただく予定です

 

【業務改善命令の内容】
(1) 適正かつ確実な業務運営を確保するための以下の対応
① 経営管理態勢の抜本的な見直し
② マネー・ローンダリング及びテロ資金供与に係るリスク管理態勢の構築
③ 反社会的勢力等の排除に係る管理態勢の構築
④ 利用者財産の分別管理態勢及び帳簿書類の管理態勢の構築
⑤ 利用者保護措置に係る管理態勢の構築
⑥ システムリスク管理態勢の構築
⑦ 利用者情報の安全管理を図るための管理態勢の構築
⑧ 利用者からの苦情・相談に適切に対応するための管理態勢の構築
⑨ 仮想通貨の新規取扱等に係るリスク管理態勢の構築
⑩ 上記①から⑨の改善内容の適切性や実効性に関し第三者機関の検証を受けること

(2) 上記(1)に関する業務改善計画を平成 30 年 7 月 23 日までに、書面で提出

(3) 業務改善計画の実施完了までの間、1 ヶ月毎の進捗・実施状況を翌月 10 日までに、書面で報告

 

以上


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