FP2級検定試験の過去出題傾向をまとめました。これから検定試験を受験される方の参考になればと思います。

 

Ⅴ.保険制度

 

保険契約者保護機構
●ポイント整理
保険契約者保護機構の概要
:破綻保険会社の保険契約の継続を支援し、保険契約の移転等の円滑な実施を行うため、救済保険会社に対する資金援助を行うほか、救済保険会社が現れない場合は自らが破綻保険会社の保険契約の引受等を行う

 

:日本国内で営業を行うすべての保険会社は、その免許の種類に応じて、生命保険契約者保護機構または損害保険契約者保護機構のいずれかに強制加入することになっている

 

:共済、少額短期保険業者の保険は、保険契約者保護機構の対象外

 

:民営化前に加入した簡易生命保険の契約は、政府による保険金等の支払保証があり、生命保険契約者保護機構の対象外

 

:民営化後に加入したかんぽ生命保険の契約は、他の生命保険会社と同様に、生命保険契約者保護機構の対象

 

生命保険契約者保護機構の補償対象契約と補償割合
:原則として国内における元受保険契約(運用実績連動型保険契約の特定特別勘定に係る部分を除く)を対象として、破綻時点の責任準備金の90%を補償する(ただし、高予定利率契約に該当する場合は、補償割合が90%から追加で引き下げられる)

 

損害保険契約者保護機構の補償対象契約と補償割合
:原則として日本における元受保険契約一般を対象としているが、補償割合は保険種類などによって異なる

 

保険法
●ポイント整理
商法における規定との違いからみた保険法の概要
共済契約にも適用範囲を拡大

傷害疾病保険に関する規定を新設

保険契約者等の保護

契約締結時の告知についてのルールを整備
:告知義務を保険者からの質問に応答する義務に変更

:保険募集人による告知妨害等があった場合のルールを新設

 

保険金の支払時期についての規定を新設
:適正な保険金の支払に必要な調査のため合理的な期間が経過したときから保険者は履行遅滞の責任を負担

 

一部規定に片面的強行規定を導入
:法律の規定よりも保険契約者等に不利な内容の約款の定めは無効

 

損害保険についてのルールの柔軟化
:超過保険や重複保険について、保険金額が目的物の価額を超える部分の契約も有効

:事業リスクのための契約については、片面的強行規定の適用を除外

 

責任保険における被害者の優先権の確保
:被保険者が倒産した場合でも、被害者が保険金から優先的に被害回復を受けられるようにするための先取特権の規定を新設

 

保険金受取人の変更ルールの整備
:保険金受取人の変更の意思表示の相手方は保険者であること、遺言による受取人の変更も可能であること等を明文で規定

 

モラルリスクの防止
:重大な事由があった場合に保険者が契約を解除できる旨の規定を新設

なお、保険法の規定は、原則として施工日以後に締結された保険契約に適用される。ただし、保険金の支払時期や重大事由による解除などについては、施行日よりも前に締結された保険契約にも適用される。

 

告知事項
保険契約者または被保険者
:保険契約者または被保険者になるものは、生命保険契約の締結に際し、支払事由の発生の可能性に関する重要な事項のうち保険会社が求める告知事項について、事実の告知をしなければならない

 

:保険契約者または被保険者が、告知事項について故意または重大な過失により事実の告知をしなかった場合、原則として保険会社は当該生命保険契約を解除することができる

 

生命保険募集人
生命保険募集人が、保険契約者または被保険者に対して、告知事項について事実の告知を妨害した場合や不実の告知をすることを勧めた場合、原則として保険会社は当該生命保険を解除することができない

 

:告知義務違反による生命保険会社の契約解除権は、「生命保険会社が解除の原因を知ったときから1ヶ月間行使しないとき」または「契約の締結時から5年(約款では一般的に2年)を経過したとき」に消滅する

 



Ⅵ.保険と税金

 

生命保険(個人契約)と税金
●ポイント整理
生命保険料控除
適用が受けられる場合
:生命保険料控除は、納税者本人が一定の生命保険契約等または個人年金保険契約等の保険料または掛金を支払った場合に適用が受けられる

 

対象となる生命保険契約等
:生命保険会社、損害保険会社などによる一定の契約

:保険金受取人が本人、配偶者、親族

 

対象となる個人年金保険契約等
次のすべての要件を満たす「個人年金保険料税制適格特約」を付加した契約

①年金受取人は保険契約者(保険料負担者)またはその配偶者のいずれかであること

②年金受取人は被保険者と同一であること

③保険料払込期間は10年以上であること(一時払は対象外)

④年金種類が確定年金、有期年金である場合、年金受取開始日における被保険者の年齢は60歳以上、かつ年金受取期間は10年以上であること、または終身年金であること(年齢要件なし)

(注)個人年金保険契約等であっても、上記の要件をすべて満たしていない契約は、一般の生命保険契約等となる(年金受取人が本人、配偶者、親族の場合に限る)

 

控除額
<平成23年12月31日以前に締結した保険契約等(従来の制度)>

一般生命保険料控除
控除限度額
所得税=50,000円
住民税=35,000円

 

個人年金保険料控除
控除限度額
所得税=50,000円
住民税=35,000円

 

合計控除限度額
所得税=100,000円
住民税=70,000円

 

<平成24年1月1日以後に締結した保険契約等(新制度)>

一般生命保険料控除
控除限度額
所得税=40,000円
住民税=28,000円

 

個人年金保険料控除
控除限度額
所得税=40,000円
住民税=28,000円

 

介護医療保険料控除
控除限度額
所得税=40,000円
住民税=28,000円

 

合計控除限度額
所得税=120,000円
住民税=70,000円

 

(注)一般生命保険料控除と個人年金保険料控除は、上記の従来の制度と新制度でそれぞれ計算して合計することができ、各控除額は所得税が最高4万円、住民税か、最高2.8万円となる。また、新制度と旧制度のいずれかのみを任意に選択することもできる。なお、各控除額を合計した制度全体としては、所得税が最高12万円、住民税が最高7万円となる。

 

(注2)平成23年12月31日以前の契約であっても、平成24年1月1日以後の契約の更新や特約の中途付加など(更新後)をした場合には、主契約を含めその契約全体について更新等の日以後の保険料が新しい生命保険料控除の対象となる

 

死亡保険金と税金
:契約者(保険料負担者)と被保険者が同一の場合で、死亡保険金受取人が相続人の場合

税金の種類=相続税

:契約者(保険料負担者)と被保険者が同一人の場合で、死亡保険金受取人が相続人でない場合

税金の種類=相続税

契約者(保険料負担者)と死亡保険金受取人が同一人の場合

税金の種類=所得税・住民税(一時所得)

契約者(保険料負担者)、被保険者、死亡保険金受取人がそれぞれ異なる場合

税金の種類=贈与税

 

生前給付保険金・給付金等と税金
特定3大疾病保険金、リビングニーズ特約保険金、高度障害保険金
:被保険者または指定代理請求人が受け取るものは非課税

入院給付金、通院給付金、手術給付金、介護保険金
:被保険者または配偶者、直系血族、生計を一にするその他の親族が受けとるものは非課税

 

個人年金保険と税金(個人の契約
●ポイント整理
契約者(保険料負担者)=年金受取人の場合
:年金受取時→雑所得として所得税・住民税の対象

 

契約者(保険料負担者)≠年金受取人の場合
:年金受取開始時→年金受給権の評価額が贈与税の対象

 

:年金受取時(2回目以後)→雑所得として所得税・住民税の対象(所得金額の計算方法が契約者(保険料負担者)=年金受取人の場合とは異なる)

 

(注)年金受給権の評価額について、相続・贈与が年金受取開始以後の場合は、「解約返戻金の額」「年金に代えて一時金の給付を受けられる場合は一時金の金額」「予定利率などを基に算出した金額」のいずれか多い額となる。

相続・贈与が年金受取開始よりも前の場合は、原則として解約返戻金相当額となる

 

生命保険(法人契約)と税金
●ポイント整理
保険料の経理処理
定期保険(長期平準定期保険・逓増定期保険を除く)

契約者=法人

被保険者=役員・従業員

保険金受取人=法人=損金算入
=被保険者の遺族=損金算入

 

終身保険
契約者=法人

被保険者=役員・従業員

保険金受取人=法人=資産計上
=被保険者の遺族=損金算入

 

養老保険
契約者=法人

被保険者=役員・従業員

保険金受取人
満期保険金=法人=資産計上
死亡保険金=法人=資産計上

満期保険金=法人
死亡保険金=被保険者の遺族=1/2を資産計上 1/2を損金算入

 

長期平準定期保険・逓増定期保険
契約者=法人

被保険者=役員・従業員

保険金受取人=法人

 

長期平準定期保険
保険期間の前半6割期間
1/2を資産計上
1/2を損金算入

 

逓増定期保険
1/2、2/3または3/4を資産計上
1/2、1/3または1/4を損金算入

 

保険期間の後半4割期間
:支払保険料全額を損金算入
:前半6割期間の資産計上額を按分して損金算入

 

損害保険と税金
●ポイント整理
地震保険料控除
:控除額は地震保険料の支払額全額(ただし、所得税50,000円、住民税は25,000円が限度)

 

個人事業主・法人の契約(満期返戻金のない保険期間1年の契約)
:個人事業主が事業所得を生ずべき業務に関連して支払った保険料は、必要経費となる

:法人が事業に関連して支払った保険料は、損金となる

 

保険金と税金
個人の契約と保険金
火災保険、車両保険
:建物、動産、車両にかかわる保険金=非課税

傷害保険、所得補償保険、自動的保険
:身体の傷害にかかわる保険金=非課税

 

自動的保険、傷害保険
:死亡保険金=保険料負担者=死亡者本人···相続税
=保険金受取人···所得住民税
=第三者···贈与税
自動的保険(無保険車、人身事故(加害者過失部分)
:死亡保険金=非課税

 

満期保険金と税金
個人、個人事業主の契約(20%の源泉分離課税)
:保険料の払込方法が一時払
:保険期間が5以下
:補償倍率が5倍未満

 

総合課税
:契約者(保険料負担者)=受取人の場合、一時所得として総合課税

:課税対象額=(満期返戻金+契約配当金)-払込保険料総額-特別控除<最高50万円>

 

注意事項
原則として平成28年10月1日時点の法制度に基づいて執筆しています。なお、東日本大震災の被災者等にかかる各種特例、復興特別所得税、個人住民税の均等割加算については、特に指示のない限り記載または考慮していません。