投資デビューの第一歩へ


近年はNISAやiDeCo、購入手数料が無料のノーロードの投資信託が増えてきました。

 

資産運用をする環境はこれまでになく整ってきてると感じます。
今回はそのような環境のもと、これから資産運用を検討している方にインデックス型の投信についてご紹介していきます。

 

株式や商品の指数と連動するインデックス型の投資信託が広がっています。手数料の低さや手軽さが個人投資家の人気を集めています。

 

「貯蓄から投資へ」の第一歩としても注目されますが、どう選んで活用したらよいのか。メリットや注意点を考えていきます。

 

 

■手数料の安さが人気、3年で残高2倍、株式投信の43%に

 

ある個人投資家は、内外の株価指数などに基づいた成果をめざすインデックスファンドを中心に運用し、金融資産1億円以上の「億り人」入りを果たしました。

 

インデックス型をはじめ投信の基礎を学ぶセミナーが活発です。活用するのは、手数料が割安な米バンガード・グループが運用するインデックス投信です。

 

世界30カ国以上の株式や10カ国以上の債券に分散投資するセゾン投信の「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」や、同じバンガードの新興国のインデックス商品を楽天証券が投資信託にした商品を購入しています。

 

個人型確定拠出年金(iDeCo)や少額投資非課税制度(NISA)の節税枠を使い、世界の成長を資産運用に活用します。

 

日本の投資家の中で、こうしたインデックス型の投資信託を活用する動きが広がっています。

 

投資信託協会の集計によると、2018年4月末時点のインデックス型投信の残高は約43兆円に上り、約3年でほぼ倍になりました。

 

株式投信全体に占める比率も17ポイント上昇し、43%まで膨らみました。同じようにインデックス型が特徴の上場投資信託(ETF)も過去5年で4倍近くに成長ししています。

 

2000年代から「貯蓄から投資へ」という掛け声の下に、銀行口座やタンスに眠る現預金を運用する動きが広がりましたが、大きなうねりは起きませんでした。

 

値下がりのリスクや高い手数料など、運用商品へのネガティブなイメージがあったほか、昼に働いていると株式動向を逐一チェックできないことなどがハードルとなりました。

 

インデックス投資にはこうしたハードルを下げる要素が多いと言われます。「貯蓄からインデックスへ」を考えることが、投資デビューの近道となりそうです。

 

個人投資家が指摘するのは「インデックス投信の最大の魅力は安い手数料だ」。投信には信託報酬と呼ぶファンドの維持経費などのほか、購入時の販売手数料がかかります。

 

高いリターンを積極的に追うアクティブ型の投信の場合だとファンドマネジャーなどの人件費などを賄うために高めに設定されていることが多いです。

 

三菱アセット・ブレインズによると、国内株式の投信の平均信託報酬はアクティブ型が年1.55%、インデックス型が年0.55%。100万円を年4%で運用すると、コストの差が20年間で元本の3分の1にあたる35万円にも達します。

 

アクティブ投資でも最近では販売手数料を無料にする「ノーロード型」も広がっていますが、1回限りの販売手数料よりは、毎年かかる信託報酬のほうが重要性は高く、長期間になればなるほど信託報酬の差が運用成績に大きくのしかかってきます。

 

インデックス型投信は様々な資産に分散できることも重要な要素です。

 

先進国株、日本株、新興国株の投信比率をそれぞれ65%、15%、15%になるように調整しつつ、毎月最低20万円ずつコツコツ投資している方もいます。

 

ただ「毎月機械的に買うだけではおもしろくない」のも本音で、「今年2月の株価急落時には投信比率の調整に加え、平均購入単価の引き下げも狙って、先進国株の投信への投資金額を増やした」と機動的な活用も実践しています。

 

国内外の債券や株式など複数のインデックス投信を購入することで、分散投資することもできます。

 

ただ、その際には相場変動リスクに耐えられるかに注意する必要があります。

 

複数のインデックスファンドを保有する場合、放っておくと、ある資産の比率が膨張する一方である資産が目減りする場合もあります。

 

そうした中では資産配分の原則を決めて、定期的に見直す「リバランス」が重要になります。放っておいても、年1回は点検する必要はあります。

 

コストにこだわりすぎることにも気をつけましょう。

インデックス投信の信託報酬についても、各投信の引き下げ競争が進み、最安と2番手の差は年0.01%程度まで縮みました。

 

わずかな手数料で切り替えることを繰り返すと、新たな手間を招くことになります。

 

05年からインデックス投資を始めたある個人投資家は「かつては細かい違いを時間をかけて分析して投資に生かそうとしていたが、その時間を自分の趣味に使うことや、調べすぎて疲弊せずに長期に投資をし続けることが重要だと思うようになった」

 

現在は、運用会社側でリバランスする「バランスファンド」を運用のメインに据えていると言います。

 

長期の資産形成に理解を示すのが金融庁です。金融庁は長期投資に対応した税制優遇制度「つみたてNISA」に適用できる商品条件として「販売手数料ゼロ」「低水準の手数料」などの基準を定めました。

 

こうした条件を満たすのは、4月23日時点で5000本以上ある投信のうちわずか145本。うちインデックス投信は約9割の126本を占めます。

 

これらの「金融庁のお墨付き」をインデックス投資を始める場合に参考にしてもよいでしょう。

 

 


 

■地域で分散、コストを重視――プロに聞く注目ファンド

 

現在、インデックス投信は1000本近くあります。その中から自分に合った投信をどのように選べばいいのか紹介します。

 

専門家によると、できるだけ地域や資産を分散してリスクを抑えながら、信託報酬などのコストが低いファンドを選ぶことが重要との意見があります。

 

インデックス投信は「低コスト」重視で運用目的に合ったものを選ぶのがカギとなります。

 

インデックスファンドは基準となる指数に連動する商品のため、運用者ごとの実力の差が出にくいのが特徴です。

 

同じ指数に連動した投信でも信託報酬率や販売手数料率が異なるものが乱立しています。

 

投信情報サイトなどでそれぞれのファンドの信託報酬率などを比較し、コストの低いファンドを見極める作業が欠かせません。

 

プロの間で注目度が高いのが、三菱UFJ国際投信のインデックス投信「eMAXIS Slim」シリーズです。

 

「業界最低水準の運用コストを将来にわたってめざし続ける」として、信託報酬率を随時見直しています。

 

投信の残高が増えると、段階的に信託報酬率を引き下げる仕組みも取り入れました。

 

現役世代などリスク許容度が高く、運用期間の長い投資家は期待リターンの大きい株式型の投信を中心に据え、リスク許容度の低い投資家は安定したリターンが得られる債券型の比率を高めるべきだとの見方で一致しました。

 

「運用期間が10年を超える若年層は株式型の比率を100%にすべきだ」と話すのは、イデア・ファンド・コンサルティングの吉井崇裕社長です。

 

低金利下で債券ではリターンを積み上げにくいためだからです。吉井氏は先進国株に4割、日本株に3割、新興国株に3割の資産を振り向け、各国の成長の果実をバランスよく取り込む案を提示しています。

 

日本株は、より値上がりの期待できる中小型ファンドが望ましいということです。

 

一方、マネーライフプランニングの小屋洋一社長は、退職世代はETFを選択肢として考えるのが良いと話します。

 

運用期間が短く、日々の生活のための現金を必要とする退職世代にとって「分配金が定期的に支払われ、コストの低いETFは使い勝手がよい」とのことです。

 

■長期の資産形成で成果、市場は機能低下の恐れもあります。

 

5月5日に開いた米バークシャー・ハザウェイの株主総会で、会長兼最高経営責任者(CEO)として同社を率いる著名投資家のウォーレン・バフェット氏は「もし1942年当時、S&P500種株価指数に相当するインデックスファンドに1万ドルを投資していたら、今では5100万ドルになっている。金に投資していたら40万ドルにしかなっていない」と述べました。

 

実際、バフェット氏は個人投資家に向けてインデックスファンドの有用性を繰り返し説いています。

 

自身も妻への遺産の90%はS&P500種に連動するバンガード社の投信で運用するように指示しています。「高額な運用報酬をとるアクティブ運用に委ねるよりも、長期では優れた結果を残せると確信している」

2013年度の株主への手紙ではこんな考えも披露しました。

 

日本の若い投資家が積極的な投信の積み立て投資も、インデックス運用が主流です。

 

楽天証券の4月の積立設定金額ベスト10を見ると、首位はアクティブ運用のひふみプラスですが、2位以下にはeMAXIS Slim先進国株式インデックス、ニッセイTOPIXインデックスファンドなど内外で運用する指数連動型投信が並びます。

 

オンライン証券によると、積み立て投資で指数連動型の商品が選ばれるのはいくつかの理由があります。

 

第1に連動する指数を決めて透明な運用をするので投資の初心者が理解しやすい。

 

第2に銘柄選択に手間とコストをかけない分、運用報酬が低廉です。

 

第3に毎月一定額を投じるなどドルコスト平均法による長期投資になじみやすくなります。

 

アクティブ運用にも良い投信はありますが、高めの運用報酬を取られる分、平均すればリターンはインデックス運用を下回る可能性があります。

 

事前に優れた運用を見抜くのは困難な上、たまたまある年に運用成績が良くても、長期にわたって指数に勝てる保証はありません。

 

長期の資産形成に取り組む若い投資家の選択眼は合理的といえます。

 

米国でもインデックス投信は急増しています。米投信協会によると、2007年には9兆5000億ドルのミューチュアルファンドのうち15%に当たる1兆4000億ドルが指数連動型でした。

 

17年には19兆2000億ドルのミューチュアルファンドのうち35%が指数連動型になりました。

 

内訳はインデックス・ミューチュアルファンドが18%に当たる3兆4000億ドル、ETFが17%に当たる3兆3000億ドルとなっています。

 

ただ、インデックス運用は個別株投資のように、お気に入りの会社に出資して資金面で応援する楽しみを感じることは少ないと思います。

 

長年、同じ指数に積み立て投資をしていくと、家計のポートフォリオが特定の金融資産に偏る恐れもあります。

 

株式投信だけでなく、債券やREIT、金などへの分散投資を心掛けないと、長期的に資産は守れないかもしれません。

 

証券市場の機能を守る観点では、インデックス運用の隆盛はやや問題もあります。

 

個別銘柄の投資価値を分析する人が減り、結果的に証券市場の価格発見機能が低下する恐れがあるとのことです。

 

東京株式市場では投信を含め、国内機関投資家の運用の8~9割がインデックスですが、連日の薄商いはその弊害の1つといえそうです。

 

 




あわせて読みたい

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です