世界の大手企業が仮想通貨関連の事業を拡大しています。

 

米金融大手ゴールドマン・サックスはビットコイン関連のトレーディング業務を始める方針を明らかにしました。

 

米取引所大手ナスダックなども関連事業に前向きです。

 

仮想通貨に対する需要の根強さや規制強化に伴う不正取引の減少期待を背景に、事業を強化して顧客を取り込む狙いです。

 

ゴールドマンは近く、自己資金を使って顧客との間でビットコインの関連商品の売買を始めます。

 

米紙ニューヨーク・タイムズによると、まずはビットコイン先物のみを取り扱う予定です。

 

規制当局から許可が得られればビットコインの現物の売買も始める計画があるとのことです。

 

4月にはヘッジファンド出身者をデジタル資産部門のトップに起用しました。

 

米大手銀行JPモルガン・チェースは新たに仮想通貨戦略を統括する職を設け、29歳の若手社員を登用したと報じられました。

 

「(市場が成熟すれば)仮想通貨の取引所開設を検討するだろう」。米ナスダックのアデナ・フリードマン最高経営責任者(CEO)は4月、こう話しました。

 

同取引所は米仮想通貨交換会社ジェミニと提携。市場監視システムを提供し、不正取引の監視に協力します。

 

会計事務所大手のプライスウォーターハウスクーパース(PwC)の香港とシンガポール拠点は、偽造防止などに活用される仮想通貨「ヴィチェーン」の開発に携わったヴィチェーン・グローバル・テクノロジー・ホールディングに出資し、合弁事業を始める予定です。

 

世界の大手が仮想通貨事業を拡大している背景は2つあります。1つは顧客需要の強さです。

 

仮想通貨交換会社ビットバンクの広末紀之社長は「仮想通貨を株式や債券と異なる新たな資産と見る投資家が増えている」と話します。

 

調査会社オートノマス・リサーチによると仮想通貨に投資するファンドは4月初旬時点で251本と、17年末から26本増えました。投資家層は今後、さらに増える見通しです。

 

もう1つは各国が仮想通貨の規制に乗り出していることです。一見逆風ですが、「規制で資金洗浄など仮想通貨のリスクが排除されれば、参入をためらう機関投資家も売買しやすくなる」(フィスコデジタルアセットグループの田代昌之代表)。

 

仮想通貨を巡っては、「モナコイン」と呼ぶコインが海外の交換業者で攻撃を受け、入金されたはずの同コインが交換業者から消失する被害が出ました。

 

長いブロックチェーン(分散型台帳)の方が正式な記録として残るという仕組みを悪用した、従来にないタイプの攻撃とされています。

 

全容は不明ですが、取引データの改ざんは仮想通貨取引の前提を崩すことになります。

 

 

世界大手による事業の拡大で仮想通貨市場がより成熟するとの期待もある一方、不正を防ぐための技術的な課題も依然として残っています。