FP2級検定試験の過去出題傾向をまとめました。これから検定試験を受験される方の参考になればと思います。

 

 

Ⅱ·社会保険

1·労働者災害補償保険(労災保険)
●ポイント整理
目的
:仕事中に起こった事故(業務上災害)や通勤途中の事故(通勤災害)によって生じた労働者の負傷·疾病·障害·死亡について必要な保険給付を行う。

:政府が保険者となり、厚生労働省の管轄で事務手続は労働基準監督署で行う。

 

加入対象
:一部の事業を除き、労働者(パートやアルバイトなどを含む)を1人でも雇っている事業主は、労災保険に加入しなければならない。

:労災保険の適用対象となるのはその事業所で働く労働者のみで、社長や役員は労働者ではないので、原則として労災保険の適用対象とはならない(ただし、一定の中小事業主等は、労災保険に特別加入することができる)

 

保険料
:全額を事業主が負担。
:保険料率は事業の種類によって異なる。

 

療養(補償)給付
業務上または通勤途中のケガや病気に対する治療などを受ける場合に受けられる給付
:業務上災害の場合は、一部負担金の必要はない(通勤災害の場合は、初回のみ200円以内の一部負担がある場合がある)

:治療等が必要である限り、退職後も給付を受けることができる。

 

休業(補償)給付
業務上または通勤途中のケガや病気の療養のために休業し、給与が受けられない場合に受けられる給付

:休業1日につき給付基礎日額の60%相当額が、休業4日目から支給され、さらに休業特別支給金として20%相当額が上乗せされる。

:休業(補償)給付を受け始めて1年6ヶ月が、経過したときに、ケガや病気が治っておらず介護などが必要である状態にあるときは、休業(補償)給付は傷病(補償)年金という別の給付に代わる。

 

障害(補償)給付

障害が残ってしまった場合に、療養(補償)給付や休業(補償)給付などに代わって支給される年金または一時金
:給付額は、障害の程度などによって決まる。

 

遺族(補償)給付
業務上災害や通勤災害によって亡くなった労働者に、その者の収入によって生活をしていた一定範囲の家族(原則として、配偶者や子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹など。ただし、年齢制限などがある)がいる場合に、その遺された家族に対して支給される年金または一時金

:給付額は、遺族の数などによって決まる。




 

2·雇用保険

●ポイント整理
雇用保険の概要
目的
:失業したときの生活保障や次の就職のための能力開発などのために必要な給付を行う。

:政府が保険者となり、厚生労働省の管轄で事務手続は公共職業安定所(ハローワーク)で行う。

 

加入対象
:一部の事業を除き、労働者(パートやアルバイトなどを含む)を1人でも雇っている事業主は、雇用保険に加入しなければならない。

:雇用保険の被保険者となるのは、1週間の所定労働時間が20時間以上あり、31日以上の雇用見込みのある労働者(社長や役員は、原則として雇用保険の被保険者とならない)

 

保険料
:一部を被保険者が負担し、残りを事業主が負担する。

 

雇用保険からの主な給付
基本手当
:働く意思と能力があっても職業に就くことができない人が、求職活動を行っているときに支給される(働く意思や能力のない人は受給できない)

:65歳未満の被保険者であった者で、退職日までの2年間に被保険者期間が通算して12ヶ月以上あることが必要となる(ただし、倒産や解雇などの会社都合退職の場合は、退職日までの1年間に通算して6ヶ月以上の被保険者期間があればよいことになっている)

注)傷病や妊娠、出産、育児などのためすぐに働くことができない場合には、申請によって受給期間を最長で4年までに延長することができる。
また、60歳定年退職後、すぐに働かない場合には申請によって受給期間を最長で2年までに延長することができる。

 

高年齢雇用継続給付
:雇用保険被保険者期間が5年以上ある者について、60歳以降(または再就職後)の賃金の額が60歳時点に比べて75%未満に低下したとき支給される。

:高年齢雇用継続給付には、基本手当を受給したか否かによって、以下の2つがある。

 

高年齢雇用継続基本給付金
(基本手当を受給していない者に支給)
:65歳に達する月まで、最長5年間支給される。

 

高年齢再就職給付金

(基本手当を受給して再就職した者に支給)
基本手当の支給残日数に応じて、最長2年間かつ65歳に達する月まで支給される。

 

賃金低下率
61%超75%未満=賃金低下率に応じた額(各月の賃金の額の15%相当額未満)
61%以下=各月の賃金の額の15%相当額

(注)賃金低下率とは、60歳時点等の給与と比べた、60歳以降の低下した給与の割合(60歳以降の低下した給与/60歳時点等の給与)をいう。

 

医療保険の給付内容
高額療養費
:原則として同一月に同一医療機関等で保険診療を受け、自己負担額が限度額を超えた場合に、その超えた額が支給されるもの。

:高度な治療や特別なサービス(差額ベッドなど)を受けた場合には、基礎的な部分以外の医療費用は高額療養費の対象にはならない。

 

傷病手当金
:療養のために働くことができず、給与が受けられないときに、連続して3日以上休んだ場合に欠勤4日目から支給されるもの。

:支給額は休業1日あたり「支給開始日以前の継続した12ヶ月の各月の標準報酬月額を、平均した額÷30日×2/3」で、支給される期間は最長1年6ヶ月。

 

出産育児一時金
:被保険者が、出産した場合に支給されるもの。

:支給額は1児につき42万円(産科医療補償制度の対象となる出産をした場合)

 

出産手当金
:被保険者が産前産後の休業期間に給与が受けられない場合に支給されるもの。

:支給額は、休業1日あたり「支給開始日以前の継続した12ヶ月間の各月の標準報酬月額を平均した額÷30日×2/3」で、期間は出産日以前42日(出産日が出産予定日よりも遅れた場合は出産予定日、多胎妊娠の場合は98日)から出産日の後56日まで。

 

退職後の医療保険
健康保険の被保険者が退職後に再就職しない場合、医療保険は主に以下の3つから選択する(後期高齢者医療制度に加入するまで)

任意継続被保険者(全額自己負担、上限あり)
:退職前に継続した、2ヶ月以上被保険者であったこと。

:退職後20日以内に手続を行うこと。

:継続できる期間は最長2年間

国民健康保険(全額自己負担、上限あり)
:資格の取得日から14日以内に手続を行う。

:前年の所得が保険料計算に反映される。

家族の加入する健康保険の被扶養者(負担なし)
:被扶養者になるためには「被保険者の収入によって生計を維持されていること(60歳未満の場合は年収130万円未満、60歳以上の場合は年収180万円未満、かつ原則として被保険者の収入の2分の1未満の収入であること)「原則として被保険者と同一の世帯に属していること」が必要となる。

 

後期高齢者医療制度
運営主体·後期高齢者医療広域連合

加入対象・・・75歳以上の者および65歳以上で一定の障害状態にある者(後期高齢者医療広域連合の認定を受けた者)

保険料・・・所得割と被保険者均等割からなり、都道府県ごとに異なる)

給付の対象・・・病気やケガなど

自己負担割合・・・1割(一定の高所得者は3割)

 

 

 

 

注意事項
原則として平成28年10月1日時点の法制度に基づいて執筆しています。なお、東日本大震災の被災者等にかかる各種特例、復興特別所得税、個人住民税の均等割加算については、特に指示のない限り記載または考慮していません。